SEQを活用しよう
EQとは?
1. 感情が行動に影響する
「普段の自分ならあんなこと言わなかったのに。。。」ってことや、「頭ではわかってるけど、できない」ってことありますよね? 「こうしたほうがいい」と理性でわかっていても、「そうしたくない」という気持ちのほうが大きな影響を与えることがあります。
まわりの人が楽しそうにしていると、自分が楽しい気分の時は「みんな楽しそうでなんだか嬉しいな〜」って感じる人が、自分が落ち込んでいると「自分はこんなに辛いのに。。。」といらだったり、やつあたりしたりしたくなるかもしれません。
感情は、あなたの行動や思考に実は大きな影響を与えています。
2. 感情と行動を調整する
感情は私たちに影響を与えます。そして感情が起こること自体を抑えることはとても難しいことです。
でも、私たちは感情のままに行動しているわけではありません。
辛そうな人を見ると、嬉しいことがあってもそれを出すのを抑えますし、やる気が起きないときも、ホントに必要になれば「えいっ!」と自分に気合いを入れて行動を始めることだってできるでしょう。
このように自分と相手の感情に目を向け、望ましい方向に向かって調整するとき、「EQ」が発揮されているのです。
3. EQとは?
EQ(Emotional Intelligence Quotient)は、自分と相手の感情に目を向け、それをうまく調整することで問題解決やコミュニケーションに利用する能力です。IQ(知能指数)と対比して「こころの知能指数」とも言われています。
「情動が私たちの行動に重大な影響を与えている。情動をうまく管理し、利用することは、知能である」ということが、EQをもっとも端的に言い表しています。 ※「情動」とは、正確には「感情」のうち短い時間で起こり・消える大きな波のことを言います。ここではなじみのある「感情」と読み替えていただいても構いません。
4. EQの4つのブランチ
EQが発揮されるプロセスは「4ブランチモデル」で説明できると言われています。
①「感情の識別」 | 自分や他者の感情を正確に読み取るはたらきです。 |
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②「感情の利用」 | 思考の助けとなるように自分をモチベートしたり、他者に共感したりするはたらきです。 |
③「感情の理解」 | 自分や他者に生まれた感情の原因を考え、次の変化を予測するはたらきです。 |
④「感情の調整」 | 他者のこころに働きかけるために、自分のこころを調整するはたらきです。 |
EQが発揮されるとき、私たちはほんの数秒のうちに、これらの4つのプロセスを通って感情を扱っているのです。
5. EQは開発できる能力
EQの大きな特徴の一つに、それが誰でも持っていて、しかも開発すれば伸ばすことができる、という点があります。
自分と他者の感情に気がつき、一瞬のうちにそれを調整する、ということができているとき、私たちは無意識のうちにEQを発揮しています。
今はまだ無意識でも、自分と他者の感情に意識を向ける回数を増やし、自分をコントロールすることを心がけ、練習すれば徐々にEQを意識的に発揮できるようになっていきます。 そうすれば、自分にとって望ましい自分自身や周囲との関係に今よりも近づくことができるでしょう。
6. 社会で求められるEQ
社会の大きな変化によってコミュニケーション能力や自己変革力が必要とされるようになった結果、人との協力関係を作り、持てる能力を発揮していく基礎になるEQは、あらゆる場面で浸透し始めました。
代表的なグローバル企業のランキングである「Fortune500」にランクされている企業の約8割が、日本でも1,000社を超える企業が、社員研修をはじめ何らかの形でEQを取り入れているというデータもあります。
あらゆる作業が急速に機械に置き換わっていく中、機械には困難な「人の感情を扱う能力」であるEQの必要性はこれからも高まっていくことでしょう。